住宅ローンは長期にわたる返済が基本ですが、収入の減少や支出の増加などで支払いが難しくなることがあります。返済が滞ると、最悪の場合は住宅の差し押さえなどのリスクも生じます。本記事では、住宅ローンが支払えなくなる原因や潜在的なリスク、さらに返済困難時の対処法についてわかりやすく解説するので、ぜひご一読ください。
住宅ローンが払えなくなる理由
住宅ローンが支払えなくなる理由は人それぞれですが、主に「収入の減少」「支出の増加」「返済計画の不備や無計画」の三つに大別できます。収入の減少
まず、収入の減少は住宅ローン滞納の最も一般的な原因です。病気やケガによる休職、突然の減給や失業、転職後の給与減少、さらに育児や介護のための離職などによって世帯収入が減ると、ローン返済が困難になることがあります。住宅ローンは借入時の収入を基に長期返済可能な額で設定されますが、収入状況が変化すると返済計画に影響が出るのです。支出の増加
次に、支出の増加も返済困難の大きな要因です。住宅ローンを組む際にライフプランを立てていても、予期せぬ支出が発生することは珍しくありません。例えば、子どもの学費や塾・予備校の費用、思いがけない医療費、冠婚葬祭費、住宅や車の修理、家電や家具の買い替えなどが挙げられます。このような支出が一時的に家計を圧迫すると、ローン返済が滞るケースもあります。計画的に貯金や返済プランを立てていても、予期しない出費に対応できない場合があるため注意が必要です。返済計画の不備
さらに、返済計画に無理があったり、そもそも計画を立てていなかった場合もリスクとなります。住宅ローンは返済期間が長期にわたるため、将来のライフステージや収入・支出の変動を見越して計画することが重要です。返済計画が無理な額であったり、リスクを考慮していなければ、状況が変わったときに支払いが厳しくなる可能性があります。特に退職後もローン返済が続く場合は、退職金や年金からの返済が必要となり、生活に大きな負担を与えます。また、変動金利タイプのローンでは、当初の返済額は固定金利より少ない傾向がありますが、金利が上昇すると毎月の返済額も増加し、返済計画が狂うことも多いです。さらに、ローン減税の恩恵が終了して税負担が元に戻るタイミングで、教育費など家計費が増えると、収入・支出の両面から返済が困難になる「ダブルパンチ」の状況も生じ得ます。
住宅ローンが払えなくなるとどうなるのか
ここからは、住宅ローンが払えなくなるリスクについてみていきましょう。督促状・催告書が届く
住宅ローンの返済が滞ると、最初は金融機関から督促の電話や書面による督促状・催告書が届く段階から始まります。督促状は普通郵便で複数回送られるのに対し、催告書は内容証明郵便で送付され、最終的な支払い請求を意味します。これらを無視して返済を続けると「期限の利益喪失通知」が届き、ローン残高の一括返済を求められるのです。期限の利益とは、毎月分割で返済できる権利を指します。これが失われることで残高全額の返済が必要となり、利息や遅延損害金も加算されるため、支払額は非常に高額になる可能性が高いです。保証会社を利用している場合は、代わりに返済してもらえることもありますが、その場合は今度は保証会社への返済義務が発生します。
事故情報として記録される
また、住宅ローンを滞納すると、信用情報機関に「事故情報」として記録されます。いわゆる、ブラックリスト状態です。これにより、他のローンやクレジットカードの審査に影響が出る可能性があります。事故情報は契約期間中や契約終了後、最大で5年間残る場合があります。自宅が競売にかけられる
さらに、返済が困難な場合は担保となっている自宅が競売にかけられることがあります。裁判所から競売開始決定通知が届き、職員や不動産鑑定士による査定が行われた後、競売が進行すると自宅に住み続けることはできなくなり、購入した家を手放さざるを得ません。給与・預金口座の差し押さえ
競売で得られた売却金でローン残高を返済しきれない場合、給与や預金口座も差し押さえの対象となります。給与の差し押さえは手取り額の一部に制限がありますが、ボーナスも含めて債権者に直接支払われるため、勤務先に差し押さえが知られることがデメリットとなります。住宅ローンの返済が難しい場合の対処法
住宅ローンの返済が困難な場合でも、状況に応じていくつかの対処法があります。保険適応を確認する
まず、病気やケガが原因で返済が厳しい場合は、団体信用保険(団信)や民間の保険の適用を確認することが重要です。団信では、死亡や三大疾病、八大疾患に該当するとローン残高が全額弁済される場合があります。また、収入保障保険や就業不能保険、債務返済支援保険なども、病気やケガで収入が減少した場合に返済負担を軽減できる可能性があります。保険の適用条件や保障内容は契約ごとに異なるため、詳細を確認することが必要です。住宅を売却する
次に、住宅を売却する方法もあります。競売にかけられる前に早めに売却すれば、市場価格に近い形で資金を確保でき、住宅ローンの完済や残高の減額につなげやすいです。また、事故情報が記録される前に売却できれば、将来の住宅ローン利用への影響も抑えられます。住宅ローン残高が多い場合は、任意売却やリースバックといった選択肢も考えられます。任意売却は金融機関の同意を得て抵当権を解除し、住宅を売却する方法です。市場価格に近い金額で売却できるため、ローンの完済や残高の大幅減額が期待できます。売却代金から諸費用を支払えるため自己資金は不要ですが、金融機関の同意が必要であり、信用情報には任意売却の記録が残ります。