リースバックは、住み慣れた自宅に住み続けながらまとまった資金を確保できる方法として、老後資金や相続対策に注目されています。しかし、契約内容によっては将来的にトラブルになることも少なくありません。そのため、売買契約書と賃貸借契約書の重要な項目や、将来自宅を買い戻せる「買い戻し特約」の有無をしっかり確認することが大切です。
リースバックの基本的な仕組み
リースバックは、住み慣れた自宅を売却して現金化しながら、そのまま住み続けられる資金調達方法として注目されています。リースバックのメリット
リースバックの大きなメリットは、自宅を現金化できる点です。急な資金需要や老後資金の準備、相続対策など、まとまった資金が必要な場合に有効な手段となります。一方で、所有権を手放すことで将来的な資産価値の上昇による恩恵を受けられなくなることや、家賃を長期的に支払い続けることで総支払額が増える可能性がある点はデメリットとして押さえておく必要があります。リースバックの利用を検討する際は、他の資金調達方法との比較を行い、契約内容を十分に理解することが重要です。リースバック契約には「売買契約書」「賃貸借契約書」の2種類が必要
リースバック契約には、必ず「売買契約書」と「賃貸借契約書」の2種類が必要です。売買契約書には、物件情報や売却価格、支払い方法、引渡し時期などを明記し、将来的に買い戻す可能性がある場合はその条件も記載します。賃貸借契約書には、物件情報に加えて契約の種類、契約期間、家賃、敷金・礼金の有無、修繕費の負担などを記載する必要があります。特に契約の種類は重要です。普通借家契約なら更新が可能ですが、定期借家契約は期間満了で契約が終了します。リースバックでは一般的に2年〜3年の定期借家契約が多く用いられるため、長く住み続けたい場合は普通借家契約を選ぶか、更新条件を契約書に明確に記載することが大切です。
売買契約書の確認事項
リースバック契約における売買契約書は、自宅を売却するうえで非常に重要な書類であり、将来のトラブルを防ぐために重要な項目をチェックすることが求められます。告知事項を正確に記載されているか
まず、売買物件の詳細情報や物件状態の告知事項が正確に記載されているかチェックすることが重要です。具体的には、所在地やマンション名、土地・建物の面積などを法務局発行の「全部事項証明書」を参考に明記します。一戸建ての場合は隣地との境界を測量で確定させることが推奨され、将来的な境界トラブルを防ぐことができます。また、給湯器や設備、壁・床の状態、故障箇所、不具合などは設備表に詳細を記載しましょう。過去の雨漏りやシロアリ被害、事件・事故歴など、売主しか知り得ない情報も物件状況報告書で買主に伝えることが大切です。
売買価格・決済・所有権移転に関する項目
売買価格や決済、所有権移転に関する項目も契約書に明確に記載されている必要があります。売買価格は市場価格より低めに設定されることがありますが、極端に乖離した価格は避け、査定方法や価格設定の根拠を確認することが重要です。決済期日や代金の受取方法、手付金の額、所有権移転時期、固定資産税や都市計画税の清算方法も契約書に明記し、契約締結前に十分確認しておくことが安心につながります。手付金は一般的に売買価格の5%〜10%程度が目安ですが、低すぎると買主が契約を簡単に解除できるリスクがあり、高すぎると売主が契約解除時に倍額返還が必要となる場合があるため注意が必要です。契約解除期日や違約金条項も明確に設定しておくことが、契約不履行時のリスク回避につながります。
買戻し価格・条件の明記
さらに、将来的に自宅を買い戻す可能性がある場合は、買戻し価格や条件が具体的に契約書に明記されていることが不可欠です。口頭での約束ではトラブルの原因となるため、全て書面化することが安心です。税金や諸費用の負担区分も明確にしておく必要があります。印紙税は売買代金に応じて契約書に貼付し、負担者を取り決めます。固定資産税や都市計画税は所有権移転の前後で日割り清算し、リースバック後は買主が固定資産税や管理費、修繕積立金を負担し、売主は家賃や火災保険料を負担することになります。また、譲渡所得税については、マイホームの場合、3,000万円の特別控除が適用できるケースもあるため、税理士に相談して契約書に費用負担を明確に記載することが望ましいです。
賃貸借契約書の確認事項
リースバック契約における賃貸借契約書は、将来的なトラブルを防ぎ、安心して住み続けるために重要な書類です。まず契約の種類には「普通借家契約」と「定期借家契約」の2種類があり、住み続けられる期間に大きな違いがあります。普通借家契約は借主の意思で更新が可能で、貸主が正当な理由なく契約を拒否できないため、長期間住み続けることができます。一方、定期借家契約は契約期間満了で終了し、再契約には貸主の同意が必要です。リースバックでは一般的に定期借家契約が多く用いられますが、長く住み続けたい場合は普通借家契約に対応している業者を選ぶか、更新条件を確認することが重要です。契約期間は短期から長期まで自由に設定でき、希望する居住期間に合った契約内容を確認しておく必要があります。